暮らしの中の仏教語

言の葉カード

 学校の廊下に張り出されている「他人に迷惑をかけないようにしましょう」といった標語。この「迷惑(めいわく)」は、人に不利益とか不都合をもたらす意味に使われますが、実は仏教語です。
 迷(めい)は智慧(ちえ ※)がなく生きることにまよい、惑(わく)は途方にくれてとまどうことを指しています。つまり、人間として生まれた意義や生きる喜びを見出せずに、呆然と立ち尽くしてしまう私たちのさまを意味する仏教語です。
 実は「迷惑」は他人にかけるものやかけられるものではなく、自分にかかってきているもの。仏さまは、そんな迷い込んでいる私たちにいつも寄り添ってくれています。

「智慧」
知識や教養を表す知恵とは異なり、自分では気づくことができず、見ることができない自らの姿を知らしめる仏のはたらきを表す。

仏教語 2018 01