暮らしの中の仏教語

言の葉カード

 「彼は同期で一番の出世頭だ!」など、「出世(しゅっせ)」という言葉は、立派な地位、身分になる事、更には経済的に豊かになるといった意味で用いられます。この「出世」、実は仏教語なのです。
本来は、仏さまが衆生(しゅじょう ※)救済のためにこの世に生まれ出ること、出世間(しゅっせけん)の略とされます。
また、俗世を離れた仏道の世界という意味も持ち、迷いの世界(世間)から飛び出せば、考え方や価値観を超えて、広々と豊かに生きていける素敵な世界があることを、この言葉は浮き彫りにしています。
会社内の出世争いなんて、何だか狭苦しいものに感じてきませんか? 深呼吸して、かた苦しい日常から出世してみてはいかがでしょうか。

衆生
生きとし生けるもの

仏教語 2018 02