人は必ず死ぬものだと頭では知っていても、よもや自分の身の上に今日や明日にも起こるとは思えない。大切な人の死別による深い悲しみや無力感に襲われるとき、人は身につまされて死を身近に感じるのではないだろうか。「生死無常(しょうじむじょう)」と教えられ、「無有代者(むうたいしゃ/たれも代わる者なし)」と教えられるいのちの事実を、私たちに先だって亡くなっていかれた方は、それこそ身をもって教えてくださっているに違いない。そのことを受けとめることこそ、残された私たちの仕事だと思う。
『仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう ※)』
- 『仏説無量寿経』
- 浄土真宗で大切にされる経典(お経)の一つ。
花園 彰氏
真宗大谷派 圓照寺住職(東京都)
真宗会館広報誌『サンガ』159号より
教え 2022 09