煩悩(ぼんのう)の代表として、瞋恚(しんに)・貪欲(とんよく)・愚痴(ぐち)の三つが挙げられる。怒り、むさぼり、不平不満と生活の中でしょっちゅう出てくる感情である。そんな自分に嫌気がさして、事あるごとに「前向きに明るく生きる」「心穏やかに過ごす」生活を目標に挙げてきた。が、年を重ねるごとに益々煩悩に振り回されることが多くなっているようだ。
親鸞聖人は、死の間際まで煩悩と共にあるのが私たちであって、そんな私たちが、煩悩が備わったままに救われる道を説いてくださっている。
煩悩を切り離せないことが問題なのではない。煩悩の責任にして、この身の事実から目を背けている私が問題なのだ。
南御堂の掲示板
「南御堂」新聞2022年3月号(難波別院)より
法話 2022 11