仏教の教えについて

言の葉カード

 「和顔愛語」というと、額や色紙でよく見かける言葉です。「和顔」とは、なごやかな顔、「愛語」とは、やさしい言葉です。善意に満ちたなごやかな笑顔で、愛情のこもったやさしい言葉で相手に接するということです。
 日本人には「仏頂面(ぶっちょうづら)」が多いと言われます。「仏頂面」とは、無愛想な、不機嫌にふくれた顔つきのことです。仏頂面をしている者は、他人のことを考えないエゴイストとして、欧米では嫌われると言います。ほほえみがエチケットなのです。
 私たちは、にこにこと笑っている赤ん坊の笑顔を見ると、本当に心があたたまります。赤ん坊の笑顔は、仏さまからの授(さず)かりものです。
 この「和顔愛語」は、『大無量寿経(だいむりょうじゅきょう ※)』の中に出て来る言葉ですが、この言葉の後に、「先意承問(せんいじょうもん)」(意〈こころ〉を先にして承問〈じょうもん〉す)という言葉が出て来ることは、案外知られていません。  向こうから言われない先に、相手の気持ちを察して、その望みを満たしてあげるというのです。相手の立場に立って力を借すということでしょう。
 人間のあたたかさ、やさしさ、いたわりが、人を動かしていきます。

『大無量寿経/仏説無量寿経』
浄土真宗で大切にされる経典(お経)の一つ。

『仏説無量寿経(ぶっせつむりょうじゅきょう)』

『銀杏通信』(真宗大谷派大阪教区HP)より
教え 2021 02