仏教の教えについて

言の葉カード

 私たちは、周りの人からいろいろなことを教えられて育っていきます。しかしその中で、心に留めてきた言葉がどれだけあるでしょうか。一方、人から言われた何気ない言葉が、何年もたってから思い出されたりします。耳の底に留まっているのです。
 長い間、仏さまの教えをたくさん聞いてこられた方が、「これまで仏さんの教えをたくさん聞いてきたけれど右から左です。すぐに忘れてしまうんです。でも、ドキッとさせられた言葉は思い出す時があるんです」と言っておられました。そんな時、「仏法(ぶっぽう)は聞いて覚えるのではなくいただくのです。ハッとしてドキッとする。そして『ハイ』とうなずくのです」と教えられたことを思い出す。
 仏法を聞くということは、自分が生きていくための知識を得るとか、単に参考のために聞くということではなく、どこまでも自分のありようを見つめていく、人生の苦しみや悩みを引き受けて生きていくことができる新しい私をいただくことなのです。

『蓮如上人御一代記聞書』(蓮如 れんにょ ※)

蓮如(1415~1499)
室町時代の浄土真宗の僧侶

月刊『同朋』2015年1月号(東本願寺出版)より
教え 2020 11