迷走しながら思いを綴る
お坊さんのエッセイ
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第10話
第10話
いつかは訪れる大切な人との別れ。それがいつやってくるかはわかりません。思いがけずに遭遇するものです―。
その時は突然やってきました。若い頃から付き合いのある前職の職場の元同僚が亡くなったという知らせ。受けた直後は半信半疑で… -
第9話
第9話
「寺院の消滅!?」という見出しのネット記事をときどき目にします。お寺に身を置く者としては胸騒ぎを隠せず、次の瞬間には記事のタイトルをクリック。記事内容のおおよそと読んだ後の自分の心情は何となく想像できるものの、2ページ、3ページと結局は全てに目を通してしまい…
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第8話
第8話
とある日、電話で話していた老僧の声が大きくなる。「あぁまたか…」と嫌な予感。しばらくして、「どちらさんからのお電話でしたか?」と尋ねたら、「今日はインターネット回線がナントカナントカになるという会社からだった」という老僧。「ナントカナントカ」が重要なんだけど…
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第7話
第7話
とある日のこと。電子レンジの調子が悪く「買い替えたら?」と私。すると町の電気屋に修理依頼すると坊守(※住職の連れ合い)。修理をしてもらったものの、また故障ぎみ。ネット通販すればすぐ買い替えられるのにと思いつつも、そのやりとりが3往復ほど続く。
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第6話
第6話
8月といえば「お盆」———。地域によって違いはありますが、多くはこの時期にお迎えする人が多いでしょう。盆期間のお寺の様子も様々です。各家々に読経に走り回るお坊さん、お寺でお盆の法要や行事を行うお坊さん、法話の席にお話に出向かれるお坊さんなどなど。いずれにして…
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第5話
第5話
コロナ下の生活となって以降、マスクをつけての日常があたり前となりました。顔の半分が隠れていると「この人はえっーと…」と、声を聞くまで、あるいは会話が進むまで「誰だかわからない…」「後でわかる」という場面が多くなった気がします。(私だけでしょうか?)
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第4話
第4話
最近のテレビ番組の傾向なのか、クイズや謎解き番組が増えてきました。例えば、小学校で習う漢字をベースに言葉の反対語を筆記回答するというクイズ。「前進」の反対語は「後退」、「勝利」の反対語は「敗北」、「上昇」の反対語は「下降」…。知識や教養を身につけるといった意…
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第3話
第3話
あるお宅のお参りからの帰り道。車のラジオから流れてきた曲を何気なく聞いていたら、歌詞の一部が心に止まりました。それがこの言葉――。
正式な歌詞や誰の曲なのかはわかりません。何となく覚えているのは、歌い手のシンガーソングライター自身が、人やモノや情… -
第2話
第2話
新型コロナウイルスの感染拡大から1年近くが経ちました。今もなお、それぞれの場所で大きな課題を抱えています。一人ひとりの生活スタイルに目を向けても、「withコロナ」と言われるように、自身の考え方も他者との接し方も、多くのことが日々移り変わっているのではないで…