この言葉は、インドの龍樹(りゅうじゅ ※)という方が説いた難行(なんぎょう)と易行(いぎょう)の道について、親鸞が『正信偈(しょうしんげ ※)』で讃えている部分の一節です。
仏教でも山登りなどと同じように、目的地(さとりの世界)まで行くにはさまざまな方法があります。険しい谷や山を歩いて進んでいく方法や波一つとない穏やかな水路を進む方法など…。
生きることにはさまざまな苦しみや困難が立ちはだかります。自分の力では何ともならないこともあります。その時、水の流れに身を任せ、「今、ここ」を生きていくこと、それが水路を行くということなのかもしれません。
- 龍樹
- 二世紀頃の南インドの僧。大乗仏教の確立に大きな影響を与えた。
- 正信偈
- 正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)。真宗門徒が朝夕お勤めする親鸞が書き記した漢文の詩。
『正信偈』(親鸞)
『人生を照らす 親鸞の言葉』(リベラル社)より
教え 2024 12